特別養護老人ホームにおけるユニットケア実施施設の各種会議の在り方

ユニットケア

特別養護老人ホームでは、ユニットケアを実施する施設が増えており、各種会議が重要な役割を果たしています。ユニットケアとは、高齢者が自分のペースで生活できるように、少人数のグループで生活を共有し、個別化されたケアを提供する方法です。以下に、ユニットケア実施施設で行われる主要な会議について説明します。

主要な会議の例

  1. ケア会議
    ケア会議は、ユニットケア実施施設の中核となる会議です。入居者様一人ひとりのニーズや要望に応じた個別ケアプランの策定や評価、改善を行うために開催されます。介護スタッフや看護師、リハビリテーションスタッフ、ソーシャルワーカーなど関係者全員が参加し、情報共有や連携を図ります。
  2. スタッフミーティング
    スタッフミーティングは、ユニット内のスタッフ間で情報共有や連携を図るために開催されます。入居者様のケアに関する情報や、スタッフ間の連携やサポートが必要な事項について話し合います。これにより、チームワークが向上し、より良いケアを提供できるようになります。
  3. 家族会議
    家族会議は、入居者様のご家族や関係者が参加し、入居者様の状況やケアについて情報共有を行う会議です。ご家族の意見や要望を受け入れ、ケアプランの策定や評価、改善に反映させることが目的です。また、家族間でのサポートや情報交換も促進されます。
  4. 連絡会議
    連絡会議は、ユニットケア実施施設内の他部署や外部関係者との情報共有や連携を図るために開催されます。例えば、医師や薬剤師、地域包括支援センターなどとの情報交換を行い、入居者様のケアに関する連携を強化します。

これらの会議は、ユニットケア実施施設において、入居者様のケアの質を向上させるために重要な役割を果たしています。各種会議では、以下のような目的や効果が期待されています。

会議をおこなうことでの目的や効果

  1. 個別ケアプランの最適化
    各種会議を通じて、入居者様一人ひとりのニーズや要望を把握し、それに応じた個別ケアプランを策定・評価・改善することができます。これにより、入居者様が安心して自分らしい生活を送ることが可能となります。
  2. チームワークの向上
    スタッフ間の情報共有や連携が円滑に行われることで、チームワークが向上し、より質の高いケアが提供できるようになります。また、スタッフ同士のサポートや協力体制が整うことで、働きやすい環境も整い、スタッフのモチベーションや定着率も向上することが期待されます。
  3. 家族との連携強化
    家族会議を通じて、ご家族の意見や要望をケアプランに反映させることで、入居者様とご家族の満足度が向上します。また、家族間でのサポートや情報交換が促進されることで、ご家族の負担軽減にもつながります。
  4. 外部関係者との連携強化
    連絡会議を通じて、医師や薬剤師、地域包括支援センターなどの外部関係者との情報共有や連携が強化されます。これにより、入居者様のケアに関する総合的なサポートが可能となり、より質の高いケアが提供できるようになります。

ユニットケア実施施設における各種会議は、入居者様のケアの質を向上させるだけでなく、スタッフやご家族、地域との連携を強化することで、高齢者が安心して暮らせる社会の実現にも寄与しています。

会議の参加メンバーや所要時分はどのくらい?

各種会議の参加メンバーや所要時間は、会議の目的や内容によって異なります。以下に、主要な会議における一般的な参加メンバーや所要時間を示します。

  1. ケア会議
    参加メンバー: 介護スタッフ、看護師、リハビリテーションスタッフ(理学療法士、作業療法士)、ソーシャルワーカー、管理者、場合によっては医師や薬剤師、入居者様やご家族も参加することがあります。 所要時間: 約30分~1時間程度。ただし、ケアプランの策定や評価が必要な場合は、それに応じて時間が長くなることがあります。
  2. スタッフミーティング
    参加メンバー: ユニット内の介護スタッフ、看護師、リハビリテーションスタッフ、場合によってはソーシャルワーカーや管理者も参加します。 所要時間: 約15分~30分程度。日常業務の情報共有を目的としているため、短時間で効率的に行われることが望ましいです。
  3. 家族会議
    参加メンバー: 入居者様のご家族や関係者、介護スタッフ、看護師、リハビリテーションスタッフ、ソーシャルワーカー、管理者、場合によっては医師や薬剤師も参加することがあります。 所要時間: 約1時間~1時間30分程度。入居者様の状況やケアについて詳しく話し合うため、やや長めの時間が設定されることが一般的です。
  4. 連絡会議
    参加メンバー: 介護スタッフ、看護師、リハビリテーションスタッフ、ソーシャルワーカー、管理者、外部関係者(医師、薬剤師、地域包括支援センターの担当者など)。 所要時間: 約30分~1時間程度。情報共有や連携を目的としているため、効率的に行われることが望ましいです。

ただし、これらの所要時間は目安であり、施設やケースによって異なることがあります。また、状況や課題に応じて、各種会議の開催頻度や所要時間が変更されることがあります。重要なのは、各種会議が円滑に進められ、効果的な情報共有や連携が実現されることです。

会議はどのくらいの期間で開催するか?

各種会議の開催頻度は以下のようになりますが、施設の方針や入所者の状況に応じて変わることがあります。

  1. ケア会議
    一般的には、ケアプランの策定時や定期的な見直し時(3か月ごとや半年ごとなど)に開催されます。ただし、入居者様の状況に変化があった場合や緊急性が高い課題が発生した場合は、臨時に開催されることもあります。
  2. スタッフミーティング
    定期的に開催されることが一般的で、週に1回から数回程度開催されることが多いです。ただし、状況に応じて開催頻度が増減することがあります。
  3. 家族会議
    一般的には、入居者様が施設に入所した際やケアプランの策定・見直し時に開催されます。また、ご家族や施設側から要望があった場合や入居者様の状況に変化があった場合にも開催されることがあります。
  4. 連絡会議
    定期的に開催されることが一般的で、月に1回から数回程度開催されることが多いです。ただし、状況に応じて開催頻度が増減することがあります。

ユニットケア実施施設においては、各種会議が適切に開催されることが、入所者のケアの質向上やスタッフ間の連携強化に繋がります。したがって、会議の進行や結果を評価し、改善のための取り組みを継続的に行うことが重要です。

会議に出席できない場合の対応

介護スタッフが勤務の都合で会議に出席できない場合でも、情報共有や連携を円滑に行うために、以下のような対応策が考えられます。

  1. 代理出席の導入
    同じチームやシフトのメンバーが代理で出席し、会議での議論や情報を共有する方法です。代理出席者は、会議後に欠席者と情報を共有し、連携を図ります。
  2. 録音・録画の活用
    会議の録音や録画を行い、欠席者が後から内容を確認できるようにする方法です。ただし、プライバシーや情報保護の観点から、事前に参加者の同意を得ることが重要です。
  3. 開催時間の見直し
    スタッフの勤務スケジュールやシフトを考慮して、会議の開催時間を見直す方法です。例えば、シフトの変更時間に合わせて開催することで、多くのスタッフが参加できるようになります。
  4. オンライン会議の活用
    オンライン会議ツールを活用し、リアルタイムで会議に参加する方法です。これにより、勤務中であってもスマートフォンやタブレットから会議に参加し、情報共有が可能となります。
  5. 書面での情報共有
    会議の議事録や要点をまとめ、書面で共有する方法です。これにより、欠席者が後から内容を確認し、情報を共有することができます。
  6. 小規模な情報共有会の開催
    定期的に小規模な情報共有会を開催し、スタッフ間で情報交換を行う方法です。シフトや勤務状況に合わせて開催されるため、多くのスタッフが参加しやすくなります。

これらの対応策を適切に活用することで、介護スタッフが勤務の都合で会議に出席できない場合でも、情報共有や連携が円滑に行われるようになります。また、施設全体でコミュニケーションの方法やツールを見直し、効果的な情報共有を実現することが重要です。

この記事を書いた人
taffyyamada

東京都生まれ。長野県在住。
公認心理師、介護福祉士、心理カウンセラー、占い師。本ブログでは、特別養護老人ホームでのユニットケアを3つのアプローチ(物理的なアプローチ・システムからのアプローチ・関わりからのアプローチ)に分類し、主にご入居者様、ご家族様、介護職員、多職種連携など人との関わり、心理からのアプローチで発信しています。

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